FAQ|性別で区分されたスペース編

トランスジェンダーに対するよくある質問に答えてみました

FAQ(よくある質問)の全体ページはこちらへ

Q18  トランスジェンダーはどのトイレを使うのでしょうか

個人によって異なります。多くの当事者は性別移行の状況にあわせて、使用するトイレを徐々に移行します。性別移行をはじめてまもなく外見が変化していない当事者もいれば、移行先の性別ですっかり馴染んでトランスジェンダーであることを特に明かさず暮らしている当事者もいます。トランスジェンダーはこのトイレをつかうというひとつの答えがあるわけではありません。

Q19 トランスジェンダーは、だれでもトイレをつかえばよいのではないでしょうか

性別移行の初期であったり、男女別でわかれたトイレを使うことに抵抗感があったりする場合に、だれでもトイレを使う当事者はいます。しかし、移行先の性別です馴染んでおり男女別トイレを問題なく使える当事者もいます。トランスジェンダーであることを特に明かさず暮らしている当事者も多く、このような場合にわざわざ離れたトイレを使う様に指定することは、望まないカミングアウトの強要やアウティングにつながりかねません。トランスジェンダーはこのトイレをつかうべきというひとつの答えがあるわけではなく、職場や学校においては状況によって合理的に判断していくことが重要です。

Q 20  戸籍とは異なる性別のトイレや更衣室を使うのは犯罪ではないでしょうか

戸籍の性別に沿ったトイレや更衣室を使うよう求める現行法はありません。詳しくはこちらの記事もご覧ください。

Q 21  トイレや更衣室などは、戸籍の性別に準じて使用を認めるべきでは

性同一性障害の診断をもつトランスジェンダーの半数以上が戸籍の性別変更に至ってない現状があります(Q4参照)。戸籍とは異なる性別で日常生活を送っている当事者は多く、また移行先の性別で馴染んでおり特にトランスジェンダーであることを公表していない場合も多くあります。戸籍に準じた扱いを求めることは望まないカミングアウトの強要やアウティングにつながりかねません。

Q22   公衆浴場はトランスジェンダーをどう扱っていますか

浴場組合によっては身体の形状(陰茎を有するかどうか等)で判断しているようです。管理者の意思が最優先される場であり、また施設の性質上、合理性のある基準ではないかと思われます。個別のケースに応じて、個室スペースを案内するなどの工夫をしている浴場もあります。トランスジェンダーと公衆浴場の話題は日本のSNSでこの数年話題となっていますが、トランス女性の団体が「自分たちを性別適合手術なしで女湯にいれてくれ」と訴えているのではなく、むしろ当事者への嫌がらせ(トランスジェンダーは無理難題を押し付けるクレーマーだという印象操作)としてこの話題が持ち出されていることに注意が必要です。

Q23  トランスジェンダーの権利が認められると性犯罪が増えるのではないですか

カリフォルニア大学ロサンゼルス校が2018年に発表した米国初の大規模調査では、性自認による差別禁止をした地域、していない地域を比較したところトランスジェンダーが性自認によりトイレを使うことが認められても性犯罪増加にはつながっていないことが指摘されました。詳しくはこちらの記事もご覧ください。

Q24   刑務所など収容施設におけるトランスジェンダーの扱いはどうなりますか

差別禁止法がある国でも、性自認にもとづきトランス女性を必ず女性刑務所に移送するという運用にはなっていません。たとえば2019年春時点で英刑務所にいるトランス女性は130人とされていますが女性刑務所にいるトランス女性は11人にすぎません(法的な性別変更をしていない人のデータです)。これは精神科医等を連ねる審査パネルがリスク等を検討し、承認された場合にのみ女性刑務所に移送することになっているためです。刑務所におけるレイプとしてはイギリスでカレン・ホワイトというトランスジェンダーの性犯罪者が女性刑務所に収容され性暴力をふるう事件が起きたことが、日本でも引き合いに出されています。カレン・ホワイトは過去の犯歴を照会することを怠ったためにリスクアセスメントが正しくできなかったとして、英国法務省は謝罪し再発防止を誓っています。

Q25  トランスジェンダーの権利擁護をする人は性暴力に無関心ではないでしょうか

宝塚大学看護学部の日高庸晴教授がLGBTQ+当事者を対象に2019年に行った調査(有効回答数10,769人)では、トランス女性の57%、トランス男性の51.9%が性暴力被害経験を有しました。被害を受けても安心して相談できる環境が少なく、弱みにつけこまれやすいなど、トランスジェンダーにとっても性暴力被害は重要な課題です。安全性を理由としてトランスジェンダーを排除しようとする動きが国内外で増加していますが、イギリスにおけるLGBT団体によるDV/性暴力被害施設への調査では、支援者たちは安全性対策は日常的にとりくんでおり、トランスのサバイバーを受け入れた経験を肯定的にふりかえっていました。日本でも、DV/性暴力被害者支援に関わる支援者たちから「女性の安全」をトランスジェンダー排除のための大義名分としないよう声があがっています。

>>FAQ全体へ戻る