この1年で犠牲になったトランスジェンダーはどれぐらいいるのか

*トランスジェンダーへの差別に関する内容を含みます。閲覧してしんどくなる方もおられるかもしれませんのでご留意ください。

毎年11月20日は、トランスジェンダー追悼の日(Trans Day of Remembrance)です。

当サイトも協力して、トランスジェンダーへの憎悪犯罪をモニタリングしているTGEUが制作した動画に日本語字幕をつけました。ページ右下にある設定から字幕の言語を選択できます。

世界中でどれだけのトランスジェンダーが殺害されているか正確な数字はわかりません。なぜなら事件をモニタリングするLGBTQ団体がある国からしか事件の報告はあがってこないからです。それでも、どのような人々が特に脆弱な立場にさらされているのかといった傾向は読み取れます。以下、出典はTGEUによるものです。

・2020年10月1日から2021年9月30日までに世界中で殺害されたトランスジェンダーや多様なジェンダーの人たちが375人確認され、昨年度よりも7%増加した

・殺害されたトランスジェンダーのうち96%がトランス女性またはトランスフェミニン(女性的なトランスジェンダー)

・殺害されたトランスジェンダーのうち職業が判明している人の58%がセックスワーカーだった

・米国内での殺人事件は昨年から倍増。殺害された53人のトランスジェンダーのうち、89%が有色人種だった。またヨーロッパで殺害されたトランスジェンダーの43%が移民だった

・登録されている殺人事件の70%は中南米で起きており、33%がブラジルで発生していた

・殺害された人の平均年齢は30歳で、最年少は13歳、最年長は68歳だった

これらの情報を統合するとトランスジェンダーへの憎悪犯罪は女性嫌悪、人種差別、外国人嫌悪、セックスワーカーへの差別が複雑に絡み合って生じていることが読み取れます。トランスジェンダーへの差別をゆるさないと同時に、複合的に絡み合っている他の差別にもNOをいい、連帯して活動していくことの重要性をデータは示しています。

なお、今回のTGEUの動画では、近年もりあがっているトランス排除言説によって当事者の権利や健康が損なわれていることについての言及もありました。たとえナイフや銃をつきつけられなくとも、自死においやられるほどの状況は日本にもあります。TGEUの動画にある「だれにも邪魔させません/ トランスの生を祝福することも/トランスの仲間を想うことも/人権のために世界中で戦うことも」というステイトメントは、日本のトランスコミュニティでもそのまま通用する内容ではないでしょうか。世界のあちこちで起きている迫害は、地続きで繋がっています。

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