トランスジェンダーに対するよくある質問に答えてみました
Q26 子どもに不可逆的な治療を行うことは不適切ではないでしょうか
15歳未満の子どもの選択肢である二次性徴抑制療法は可逆的な治療です。二次性徴抑制療法は、望まない身体変化を一時的に止めることで性別違和を持つ子どもの希死念慮や自傷行為をおさえ、成人後の自殺リスクについても大幅に低下させる可能性があると指摘されています。部分的に不可逆的な要素を含む性ホルモン療法については、日本精神神経学会によるガイドラインでは、18歳未満の者に開始する場合には2年以上ジェンダークリニックで経過を観察し特に必要を認めたものに限定することが定められています。
Q27 性別を変える治療をして後悔する人が多いと聞きましたが本当でしょうか
イギリスの調査によれば公的保健医療制度を使って性別移行をした3,398人のうち、性別移行を後悔した人は0.47%でした。このようなわずかな例を引き合いに、性別移行があたかも簡単に行われるとか、性別移行を勧める医師によって患者の自己決定が損なわれているかのように間違った議論が行われることがあります。
Q28 製薬会社が儲けるためにトランスジェンダーを増やそうとしているのは本当でしょうか
誤情報です。トランスジェンダーの人口は少なく、ホルモン製剤を使う人たちのごく一部にすぎません。このような理由からホルモン療法を保険適用にするための治験に協力する製薬会社が見つからず、むしろ当事者たちはホルモン療法をしたくても安心して続けにくい脆弱な状況に置かれています。