FAQ|トランスジェンダーとはそもそも編

トランスジェンダーへのよくある質問

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Q1 トランスジェンダーの定義を教えてください

トランスジェンダーは出生時に割り当てられた性別とは異なる性自認(ジェンダー・アイデンティティ=自己の属する性別についての認識に関する同一性の有無または程度)を持つ人を指します。性自認は個人の重要なアイデンティティであり、単なる自称とは異なります。性自認は性同一性と訳されることもあります

Q2 トランスジェンダーと同性愛はどう違いますか

同性愛は、性的指向(恋愛や性的関心をもつ相手の性別)が同性に向かうことを指します。性自認と性的指向は、独立した別の概念です。なお、トランスジェンダーの性的指向はさまざまです。トランス女性で、男性を恋愛対象とする方もいれば、女性を恋愛対象とする方もいます。トランス男性の場合も同様です。

Q3 トランスジェンダーはどれくらいの割合で存在しますか

諸説あります。米国のUCLAによる2016年の調査では人口の0.6%という推定値がありました。国内では大阪市が2019年に実施した「大阪市民の働き方と暮らしの多様性と共生にかんするアンケート」で0.7%,埼玉県が2020年に実施した「LGBTQ実態調査」で0.5%というデータがあります。

Q4 戸籍を変更しているトランスジェンダーの方はどれくらいいますか

2004年施行された性同一性障害特例法に基づき戸籍上の性別を変更した人は、19年までの15年間で計9625人にわたります。なお日本精神神経学会の研究グループによれば15年末までに性同一性障害の診断を受けた人が延べ2万2435人にのぼるため、性同一性障害の診断をもつトランスジェンダーの半数以上が戸籍の性別変更に至ってない現状があります。

Q5    性同一性障害とトランスジェンダーはどうちがいますか

性同一性障害は疾患名ですが、トランスジェンダーは医療の枠組みによらず当事者が自らをさすための用語です。我が国ではホルモン療法や手術療法などの性別移行に関わる医療行為を受ける際には二名の精神科医により性同一性障害の診断を得ることが日本精神神経学会のガイドライン上もとめられています。ガイドライン外で治療を受けたり、そもそも性別移行に関わる医療行為をしていなかったりする場合にはトランスジェンダーでありつつ性同一性障害の診断を有さないことがあります。

Q6    性同一性障害は病気ではなくなりますか

2018年に改訂された国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)では性同一性障害は精神疾患ではなく性保健健康関連の病態(仮訳)に分類され、名称が性別不合(仮訳)に改められました。名称や分類は変わりますが、性別移行に関わる医療行為を必要とする人を対象に、今後しばらくは疾患としての運用がなされる予定です。

Q7    トランスジェンダーの人たちは脱病理化を求めているのですか

国際疾病分類の第10回改訂版(ICD-10)が1990年に改訂されるまで同性愛は精神疾患とみなされていました。性的指向の多様性が病理とはみなされなくなったように、性自認のあり方も病理とみなすべきではないとの議論があります。同性愛の扱いが病理から人権課題と変わっていった歴史になぞらえ「病理モデルから人権モデル」という用語が使われることもあります。

脱病理化のねらいは疾患とみなされることによるスティグマ(偏見)の解消が目的であり、単に医療の対象としないこと=脱医療化とは異なります。性別移行のためのホルモン療法や手術療法は今後も当事者にとって必要です。スティグマの解消とあわせて、必要としている人が性別移行にかかわる医療を受けられるよう医療資源の確保を並行して行うことが当事者の命と健康のために重要です。

Q8    トランスジェンダーになる要因はなんですか

はっきりした要因は分かっていません。胎児期の脳の性分化に関係があると考える研究者もいますが、現段階では明確な根拠として断定できる段階にありません。

Q9    何歳ぐらいからトランスジェンダーと気づきますか

個人差があります。岡山大学ジェンダークリニックを受診した人では全体の56%が小学校入学以前から性別違和を訴えていました。幼くして違和感を持つことは決して珍しくないと言えますが、思春期以降に性別違和を自覚する場合もあります。性別違和を抱いていても実際にそのことを言語化し、性別移行して生活することを希望するまでには長い時間がかかることもあります。

Q10  トランスジェンダー にはどのような人が含まれますか

出生時に男性とわりあてられ女性の性自認を持つトランス女性、出生時に女性とわりあてられ男性の性自認を持つトランス男性、男女いずれかいっぽうにあてはまらない性自認を持つXジェンダー(あるいはノンバイナリー)の人々などが含まれます。

Q11   国連のトランスジェンダーの定義では異性装が含まれるのですか

国連が行なっている「Free&Equal」キャンペーンではトランスジェンダーの説明として「ジェンダー規範から外れる外見や特徴を持つ人たちをあらわすアンブレラターム」があげられ、その中には異性装をする人が含まれています。インドや北米、ポリネシア諸島などの文化圏では伝統的に男女二元的ではない性別のあり方が受容されています。これらの文化的多様性を包摂することを意図した定義となっています。性表現という言葉が採用されているのも同様の背景によります。

なお、同サイトではトランス女性について、出生時にわりあてられた性別が男性で性自認が女性である人とされています。「性自認が男性である人もトランス女性だと国連は言っている」と誤解して広めている方がいますが、ちがいます。

Q12   トランス女性には興奮するために女装をする男性も含みますか

含みません。性的興奮を得るために男性の性自認の方が特定の衣服を身につけるのは、性嗜好に関わる事柄で、トランスジェンダーとは性自認に関する事柄です。性嗜好と性自認は別の事柄であるにもかかわらず、トランス女性が自分の性自認に沿った服装をすることについて「性的興奮を得るためにするにちがいない」「だますためだ」などの偏見を持たれることがあり、当事者の苦悩につながっています。

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